「レーシックが受けられなかった」「ICLとは別の手術があるらしいけど、IPCLとは一体何?」
メガネやコンタクトレンズから解放されたいと願いながらも、どの視力矯正手術を選べば良いか迷っていませんか?特に、角膜を削らない手術としてICLが有名ですが、IPCLは、そのICLのメリットをさらに進化させ、強度近視や乱視、遠視、老眼(多焦点)対応を実現した最新の眼内コンタクトレンズ手術です。
特にこの手術は老眼の症状も同時に解決したい方にとって、まさに「究極の選択肢」となりえます。
この記事では、IPCLとは何かという基本の仕組みから、ICLやレーシックとの決定的な違い、最新のV2.0レンズの特徴、費用やリスクに至るまで網羅的に解説します。IPCLを正しく理解し、後悔のない視力回復への一歩を踏み出すための完全ガイドとして、ぜひ最後までお読みください。

ここでわかること
・IPCLとは何?
ICLやレーシックとの決定的な違い・IPCL V2.0レンズの特徴・費用やリスクなど

【自己紹介】
眼科勤続年数・約15年の現役視能訓練士(国家資格保有の眼科検査員)です。
関東の端っこの小さい病院で細々とICL手術に関わっています。
2025年に新たに日本国内で承認された「IPCL」について、学会での報告があったり複数の病院で手術が行われています。
そんな中勉強した事・聞いた事をふまえて記事を書いています。
IPCLの基礎知識と仕組み
IPCLとは、角膜を削らずに、眼内にコンタクトレンズを挿入することで視力を恒久的に矯正する最新の屈折矯正手術です。
このIPCL手術が注目を集める理由は、従来のレーシックのように角膜を削る必要がない点にあります。万が一、将来的に見え方が変化したり、他の目の病気になったりした場合でも、挿入したレンズを取り出すことができる(可逆性がある)ため、安心して手術を受けられる選択肢として高い評価を得ています。
ICL・レーシックとの決定的な違い
IPCLとICL、そしてレーシックは、いずれも視力を矯正する手術ですが、そのアプローチと可逆性に決定的な違いがあります。結論から言うと、IPCLとICLは「眼内レンズ挿入術」、レーシックは「角膜切削術」という根本的に異なる治療法です。
IPCL・ICLとレーシックの違いとして、レーシックは角膜の表面をレーザーで削って形状を変えることでピントを合わせるのに対し、IPCLやICLは角膜を削らず、ソフトコンタクトレンズに似た特殊なレンズを目の中の虹彩と水晶体の間に挿入します。角膜を削ってしまうレーシックと違い、IPCLとICLはレンズを取り出せば元の状態に戻せる「可逆性」を持っている点が大きな特徴です。
IPCLとICLの違いは、レンズの素材や設計にあります。特に、IPCLは強度近視、乱視や遠視、多焦点レンズにおいては老眼への対応力がICLよりも高いという技術的な優位性を持っています。
IPCLが他の手術より優れている点
IPCLが他の手術、特にICLと比較して優れている点は、「乱視矯正の精度の高さ」と「老眼(多焦点)対応の選択肢の有無」の2点が挙げられます。
①ICLも乱視矯正に対応していますが、IPCLはレンズの設計により、特に強度の乱視に対して高い矯正精度を発揮するとされています。これまで乱視が強すぎて手術を断念せざるを得なかった方にも希望が持てるようになりました。
②さらに、IPCLには老眼に対応できる「多焦点レンズ」の選択肢があることが最大の優位性です。これはICLにはない特徴であり、近視と一緒に老眼の症状も出始めた40代以降の方にとって、遠方も近方も見えるようになる画期的な解決策となります。このように、IPCLは近視・乱視だけでなく、老眼まで含めた複合的な視力問題を解決できる可能性を秘めているのです。
最新版IPCL V2.0レンズの具体的な特徴
最新版IPCL V2.0レンズは、より多くの視覚的なニーズに応えるための多様な設計が採用されているのが特徴です。
患者さん一人ひとりの目の状態やライフスタイルに合わせて、矯正の範囲や種類を選べる柔軟性にあり、従来の視力矯正手術では難しかった「乱視の度合い」や「老眼の有無」といった複雑な問題にも対応できるよう、レンズの素材や光学設計が最適化されました。
単焦点と多焦点(老眼対応)レンズの種類と見え方
IPCLレンズは、「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」の2つの主要なタイプがあり、どちらを選ぶかによって術後の見え方が大きく異なります。単焦点レンズは遠くや近くなど特定の距離にピントを合わせる標準的なタイプであるのに対し、多焦点レンズは遠方と近方の両方にピントを合わせられるよう設計されています。
単焦点レンズを選んだ場合、術後は遠くがよく見えるようになります。

すでに国内で手術の際使用されているICLとどちらを使用するか比較検討する人が増えています。強度近視や乱視度数によってはIPCLしか規格がない場合もあります。
多焦点レンズは老眼の症状が出始めた方に適した選択肢です。「手術をしても老眼鏡が手放せないのは嫌だ…」と懸念される方もいるでしょう。多焦点レンズなら、遠くの景色も、手元のスマートフォンも、裸眼で見える快適な生活を目指せます。

主に老眼を自覚し始めるだろう40代以降の方は多焦点レンズを選択するとより手術後の見え方に満足するでしょう。
多焦点IPCLの仕組みと老眼治療への貢献
多焦点IPCLが老眼に対応できるのは、レンズの表面に遠近両用の特殊な光学デザインが施されているからです。このデザインにより、目に入った光が遠くを見るための光と近くを見るための光に分かれ、脳が自動的に両方のピントを認識できるように調整します。
従来のICLレンズは単焦点のみで老眼には対応できませんでしたが、IPCLはこの多焦点技術を眼内コンタクトレンズに応用しています。老眼は年齢と共に必ず進行しますが、多焦点IPCLを挿入することで、老眼の進行に左右されず、遠近両方の視力を維持できる可能性が高まります。老眼治療法として確立されたこの仕組みは、40代以降の方にとって非常に大きなメリットです。
*老眼対応のIPCLについて詳しくこちらに書いています
IPCLに使用される生体適合性の高い素材とレンズデザイン
IPCLレンズは、人体との相性が良く、安全性の高い親水性アクリル素材で作られています。この素材は水分を多く含むため非常に柔らかく、レンズを目の中に挿入する際の負担が少ないのが特徴です。また、この素材は光の透過性が高く、鮮明でクリアな見え方を実現する上で重要な役割を果たします。
IPCLのレンズデザインは、挿入後に目の中で安定するように工夫されており、特に乱視矯正を目的としたレンズでは、回転しにくいよう設計されています。レンズが眼内でわずかにでも回転すると、せっかくの乱視矯正効果が薄れてしまうことがあります。この高い安定性により、手術後の視力が長期にわたって安定しやすくなるというメリットがあります。
サイズ展開とカスタマイズ性
IPCLはレンズのサイズ展開とカスタマイズ性の高さが素晴らしく、患者さん一人ひとりの目の形状に合わせて、非常に細かくサイズ調整が可能です。
このカスタマイズ性がなぜ重要かというと、レンズのサイズが目に対して小さすぎると不安定になり、大きすぎると眼内組織を圧迫してしまうリスクがあるからです。IPCLは豊富なサイズバリエーションを持っているため、まるでオーダーメイドのような精度で、患者さんの目の構造にぴったり合ったレンズを選択することができます。
IPCL手術のメリット・デメリット
IPCL手術は多くのメリットを提供しますが、手術である以上、必ずデメリットやリスクも存在します。高い可逆性や矯正能力を持つ一方で、手術の特性上、費用面や稀な合併症のリスクも考慮すべきでしょう。
IPCLの主なメリット
IPCLの最も重要なメリットは、「高品質な視界の回復」と「可逆性」を両立できる点にあります。特に強度の近視や乱視の方にとって、ICLやレーシックでは難しかったクリアで歪みの少ない視界が得られることが最大の魅力でしょう。
また、老眼対応の多焦点レンズを選択すれば、老眼鏡なしで遠近両方を見られるという大きな利点もあります。「手術後にまたメガネが必要になったらどうしよう」という不安を感じる方もいるかもしれません。IPCLはレンズを取り出すことが可能なので、万が一の場合や将来的な目の変化にも対応できる安心感があります。
IPCLのデメリット
IPCL手術の主なデメリットとして、「費用が高額になること」と「眼内手術特有のリスク」が挙げられます。
費用が高くなるのは、IPCLレンズの設計が複雑で、乱視や多焦点など個別のニーズに細かく対応しているためです。また、この手術は眼の中にレンズを挿入する「眼内手術」であるため、術後に感染症や炎症といった、外部からの処置では起こりにくいリスクが稀ながら存在します。もちろん、これらのリスクは厳格な衛生管理のもと最小限に抑えられますが、手術を受ける前に把握しておくべきでしょう。
IPCL手術を受けられる人・受けられない人(適応条件と禁忌)
IPCL手術は多くの方に適応がありますが、目の健康状態や全身の状態によっては受けることができない「禁忌」の条件も存在します。
IPCLの適応条件(視力、年齢、目の状態など)
IPCL手術の適応条件は、主に年齢、近視や乱視の度合い、そして目の内部の健康状態によって決まります。
20歳以上で視力が安定している方に加え、ICLやレーシックでは難しいとされる強度近視や強度の乱視の方もIPCLの良い適応となることが多いです。IPCLが多くの近視に対応できるのは、レンズが角膜の形状に依存しないため度数矯正の幅が広く、年齢については視力が安定している20歳以上が基本ですが、老眼治療を目的とする多焦点IPCLの場合は、40代以降の方も積極的に適応となります。
また他に重要なのは、目の内部の構造(前房の深さや角膜内皮細胞数)に問題がないかという点です。
IPCL手術ができない「禁忌」となる条件
IPCL手術を受けられない「禁忌」となる条件は、手術後の視力や目の健康に深刻なリスクを及ぼす可能性のある状態です。進行性の眼疾患や特定の全身疾患を持っている方は、残念ながら手術ができません。
禁忌とされる主な理由は、眼内レンズ挿入によって病状が悪化するリスクや、手術後の回復が阻害される可能性があるためです。例えば、白内障や緑内障が進行している場合、または糖尿病などの全身疾患があるとせっかくIPCLで視力を矯正しても、長期的な視界の維持が困難になる場合があります。
その他、妊娠中・授乳中の方や、医師の指示に従えない可能性のある方も禁忌となることがあります。安全な手術と術後の結果を得るために、適応検査では現在の健康状態や病歴をすべて正確に医師に伝えることが、手術を諦めるのではなく安全性を確保するための重要なアドバイスとなります。
IPCL手術を受けるためのクリニック選びの重要ポイント
IPCL手術は、その技術の高さとカスタマイズ性から、費用が高額になる傾向があります。結論として、費用相場を把握しつつ、信頼できるクリニック選びを慎重に行うことが重要となります。
特にIPCLの手術費用は、レンズの種類(単焦点か多焦点か)、乱視矯正の有無、そしてクリニックの技術やサポート体制によって変動します。
これに加え、後悔のないIPCL手術を実現するためには、技術力と実績が確かなクリニックを選ぶことが不可欠です。
IPCL手術の費用相場と医療費控除の活用方法
IPCL手術は自由診療であるため、保険適用外ですが、高額な費用を抑えるために「医療費控除」を積極的に活用すべきです。
費用相場は、単焦点(乱視なし)で両眼50~60万前後、多焦点(乱視なし)で両眼80万前後となっており、乱視矯正の有無や、特に多焦点(老眼対応)レンズを選ぶかどうかで大きく変動します。
費用が高くなる背景には、IPCLレンズが患者さんの目の状態に合わせてオーダーメイドに近い形で製造されること、および高度な技術と設備が必要とされることがあります。しかし、医療費控除を利用すれば、年間の医療費が一定額を超えた場合、その一部が税金から戻ってくるため実質的な自己負担額を軽減できます。
医療費控除の具体的な申請方法としては、手術を受けた年分の確定申告で、領収書を添付して手続きを行うことが必要です。また、多くのクリニックで用意されている分割払いの制度を利用することも、経済的な負担を分散させるための賢い選択肢となります。費用と控除制度を理解することが、手術への納得感を高めることにつながります。
*東京でIPCL手術を受けられる病院について
*大阪でIPCL手術を受けられる病院について
まとめ:IPCLとは何か? あなたの不安を解決する一歩
IPCLとは、従来のICLやレーシックの弱点を克服し、高品質な視界と老眼治療にも対応した最新の眼内コンタクトレンズ手術です。IPCLが持つ可逆性やカスタマイズ性の高さは、手術への不安を大きく軽減する要素となります。
IPCLとは何かという疑問が解消された今、次は「適応検査」を受けてみてはいかがでしょうか。検査では、あなたの目の状態を精密に測定し、IPCLが本当に受けられるのか、どのレンズが最も適しているのかという疑問が明確になります。
もし手術を検討している場合、費用対効果、手術のリスク、そして何よりも目の健康状態を総合的に判断してみてください。特に、老眼で悩んでいる方にとっては、IPCLは裸眼生活を叶えるための非常に有力な手段になるでしょう。
この記事が、あなたが視力回復という夢を実現するための、最初の一歩を踏み出す助けになれば幸いです。




